原作では男性だった主人公を女性にし、さらにゴージャスさを増した「富豪刑事」の神戸美和子役は深田恭子の当たり役となりました。
おっとりとした富豪令嬢が、抜群の推理力と資産を投げ出して、事件を解決していくという奇想天外なドラマにおっとりとした雰囲気の深田恭子は合っていたのです。
ふんわりとしたイメージと目の強さが神戸美和子には必要でしたが、深田恭子はそれを簡単にクリアしてのけたわけです。
また抜群の推理力を持つ神戸美和子は、時折、鋭い視線を浮かべることがある、深田恭子にはぴったりでした。
加えて、普段のお嬢様ぶりから凄腕の刑事に変わる深田恭子の演技が完璧で、視聴者を引き付けたのです。
深田恭子の演じた役柄では、この神戸美和子役で本来の持ち味である、上品さと可憐さが生きていたのです。深田恭子の女優としての地位を高めたのは、やはり筒井康孝の原作を大胆に現代風にアレンジした「富豪刑事」でしょう。
まさしく「富豪刑事」の主人公である神戸美和子は深田恭子であったから、奇妙なリアリティが出ていたのです。
神戸美和子はフィクションの存在ではありますが、原作にも負けない存在感があり、その存在感を演技で生かしたのが
深田恭子です。
そのために女優としての深田恭子をさらに注目させるようになったドラマといっても「富豪刑事」は欠かせないドラマです。
深田恭子についての情報をサイトやブログ、掲示板を使って集め、どれだけ「富豪刑事」が深田恭子の転換期になったかを調べてみましょう。
まさに女優である深田恭子のイメージと、役である神戸美和子のイメージが見事に重なっていたのです。
最初のうちは原作のファンから、戸惑いを受けていた「富豪刑事」ですが、女性に主人公をすることでリアリティが出たのは、深田恭子の力量でしょう。
この深田恭子のおっとりしているけれど、ときおり視線が鋭くなるという個性が十分に生かされたのが「富豪刑事」です。