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引越アルバイトを探しているという友人、いや知り合いがいたのですが、まあおそらくかなりの肉体労働だし、ある程度覚悟するべきだと忠告しておきました。
ところが、その彼曰く、それなりに体は鍛えているから、引越アルバイトの一つや二つ、全く問題ないと、まず平気であると言い張るのです。
私自身が見る限り、彼は明らかに、その肉体において体脂肪率が筋肉の割合を飛び超えているであろう体格をしています。
しかし、何故引越アルバイトを選択したのやら。
人間というものは誰しも、自分に対して優しいものです。
すなわち彼は、自分の体型を、がっちりとしているとでも思っているに違いない。
だから彼は引越アルバイトを始めようなどと言い出したのではないでしょうか。

引越アルバイトを始めると決意した友人もとい、知り合いですが、まず日通の面接を試しに受けてみるとか何とか言っていました。
がっちりした体型、とは程遠い、もっちりとしたその体型は、決して引越アルバイトには向いているとは思えないのですが、彼はどのように考えているのでしょうか。
彼はよく、これでも一応運動部だったんだから引越アルバイトくらいキャパ内に入っている、などと言ったりしますが、あなたの所属していた部活は確か卓球部のはずでしょう。
いえ、私は別に卓球をスポーツとして認めないなどといっているのではありません。
一瞬の判断力と反射神経、そしてテクニックを必要とする競技であることは知っています、知っていますが、彼が引越アルバイトが可能な理由として持ち出すには間違っていると。

引越アルバイトに、彼はどのような理由があって、それほどまでに興味を持ったのでしょうか。
彼は、私が思うに、以前バイトしていたレンタルビデオ屋の店員の方が、引越アルバイトに比べれば、よほど板についているのではないかと思っているのですけれども。
となれば、いきなり閉店したレンタルビデオ店にも、彼の引越アルバイトに対する執着を引き起こした責任の一端はあるのかもしれない。
引越アルバイトは人に喜ばれる大事な仕事ですが、私はだからこそ誰にでもそれをすすめるつもりは無いのです。